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お客様のニーズに即応することで増収増益を実現。今後もお客様第一主義で、事業の拡大を目指します。のむら産業株式会社 代表取締役社長 清川

コメ流通構造に大きな変化があった1年
米穀包装業界のパイオニアとしてコメ流通を支え、当社の事業規模も拡大しました

米穀業界を巡る事業環境は、現在大きな転換期を迎えています。一昨年夏に発生した「令和の米騒動」以降、コメ価格の高止まりが続くなかで、政府備蓄米の放出やカリフォルニア産カルローズ米をはじめとする輸入米の流通が拡大してコメの供給ルートが多様化した結果、コメの流通構造に大きな変化が生じました。

当社においても、これまでにない規模のロットかつ短納期での資材受注が相次ぐなど、受注内容に大きな変化が生じました。そういったニーズの変化に対して、一人ひとりの社員が「お客様ファースト」の精神を持って対応し、既存顧客からのさらなる信頼獲得と、新規顧客からの受注獲得につなげることができました。

その結果、2025年10月期の全体業績は売上高71億1,100万円、営業利益7億5,300万円と過去最高となり、5期連続の増収増益を達成いたしました。また、各段階利益において期初計画を大きく上回る着地となりました。

包装関連事業は資材・機械ともに受注増
物流梱包事業は物流コスト高騰の影響を受ける

包装関連事業の資材分野では、政府備蓄米の放出に伴う資材需要の発生、期初の原材料価格高騰に対する適切な価格転嫁を背景に、売上高が堅調に推移しました。機械分野においては、更新需要や鮮度保持ニーズに対応した販促強化が奏功し、売上が好調に推移しました。また、DXの導入を含め業務の合理化と効率化による経費抑制が進み、 利益面の安定的な推移に寄与いたしました。受注量が大幅に増加したにもかかわらず、受注及び発注、納期管理などにかかる工数を大きく増やすことなく安定した体制を維持することができました。

物流梱包事業では、大手通販会社において環境配慮型かつ低コストの梱包資材への切替えが進んだ影響により減収となりましたが、展示会を活用した新規顧客の開拓や既存顧客への提案型営業を積極的に推進したこと、また、子会社であるパックウェル株式会社ののれん償却の終了などにより増益を確保しました。

2026年10月期は主力事業の米穀包装資材・機械に経営資源を集中
3年後の売上高80億円、営業利益9億円超に向けた成長の基盤づくりを進める

現在、当社を取り巻く事業環境は、政府の農業政策によるコメの生産量の変化や流通経路の変化、継続するコメ価格の高止まりなど、この先の見通しが立てづらい状況が続いており、2026年10月期を初年度とする中期経営計画の策定を見送ることといたしました。

一方で、当期は、2025年10月期の好調な受注状況を踏まえ、当社の主力事業である米穀市場向け包装関連事業に注力する1年と位置づけ、米穀精米袋の包装資材・包装機械の需要充足を最優先にするとともに、新市場の基盤構築について、2027年期以降の成長を見据えた取り組みに経営資源を集中します。

2025年10月期には、政府備蓄米向け資材及び鮮度保持対応機械の需要に対応するなかで、「生産能力の増強」と「納品スピードの向上」が課題として明確になりました。今後は仕入先や外注先との連携を強化し、より安定して製品を供給できる体制の構築に努めてまいります。その上で、包装資材においては①米穀市場でのブランド価値向上と差別化戦略の推進、②品質の維持・向上、迅速かつ確実な納期対応の実現、③西日本市場での売上・利益の拡大。包装機械においては①設計からアフターサービスまでの体制維持と改善の推進、②鮮度保持パッカーの販促強化を実施します。

また、当社が持続的な成長を図る上で、中期経営方針に変更はなく、「新市場の基盤構築」や「成長戦略の推進」の重要性は引き続き変わらないものと考えています。当社の強みが発揮できる領域を見極めるため、各市場の成長性や競合状況、顧客ニーズを改めて精査し、今後の新市場開拓の布石としていきます。引き続き既存顧客へのフォローアップ活動から、単発の受注で終わらない関係性を構築し、新たな中期の目線として「3年後に売上高80億円、営業利益9億円超」達成のため、グループ一丸となって着実な成長と収益性向上に取り組んでまいります。

好調な業績を踏まえて2025年10月期の配当は前期から30円増額の89円
今後も安定した利益還元と企業価値向上に努めてまいります

当社は、株主の皆様への利益配分を重要な経営課題と位置づけ、事業拡大に必要な内部留保とのバランスを図りながら連結配当性向25%程度を目標としつつ、継続的かつ安定的な配当を実施しております。好調な業績を踏まえ、2025年10月期の期末配当金は期初予想の62円から27円増額し、前期から30円増の1株あたり89円といたしました。今後も株主の皆様に成果を着実に還元すべく、企業価値の向上を図ってまいります。

当社の事業は一般的には馴染みの薄い領域ではありますが、「日本の家庭にお米を届ける」という重要な社会的役割を担っています。今後もこの役割をしっかりと果たすとともに、株主・投資家の皆様には当社の事業内容や成長戦略へのご理解をより深めていただき、長期にわたって応援していただけるよう、IR活動の充実に努めてまいります。今後も変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

業績ハイライト

主力事業の好調な推移により、前期比で増収・大幅増益

  • 売上高
    • 59.7

      2023年
      10月期

    • 66.1

      2024年
      10月期

    • 71.1

      2025年
      10月期

    • 73.6億円

      2026年
      10月期
      (予想)

  • 営業利益
    • 4.4

      2023年
      10月期

    • 5.0

      2024年
      10月期

    • 7.5

      2025年
      10月期

    • 8.1億円

      2026年
      10月期
      (予想)

  • 親会社株式に帰属する当期純利益
    • 2.9

      2023年
      10月期

    • 3.3

      2024年
      10月期

    • 5.0

      2025年
      10月期

    • 5.4億円

      2026年
      10月期
      (予想)

セグメント別概況

包装関連事業
  • 50.8

    2023年10月期

  • 56.6

    2024年10月期

  • 61.9億円

    2025年10月期

物流梱包事業
  • 8.9

    2023年10月期

  • 9.5

    2024年10月期

  • 9.1億円

    2025年10月期

株主還元

  • 29円

    2021年10月期

  • 42円

    2022年10月期

  • 52円

    2023年10月期

  • 59円

    2024年10月期

  • 89

    2025年10月期

  • 96

    2026年10月期
    (予想)

基本配当方針

事業拡大に必要な内部留保とのバランスを図りながら
連結配当性向25%程度を目標としつつ、継続的かつ安定的な配当を実施

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「のむら産業のコメ袋の歴史」 「のむら産業のコメ袋の歴史」 「のむら産業のコメ袋の歴史」

のむら産業発展の礎を築いた
紙製コメ袋の誕生

1960年代初頭、のむら産業の前身・有限会社野村紙業は、紙製コメ袋の販売を開始しました。当時は配給制度の時代であり、消費者は風呂敷や手ぬぐいを縫い合わせた自家製のコメ袋を用意し、配給日前にコメ屋へ預け、配給日にその袋へコメを入れてもらう形で受け取っていました。

一方でコメ屋においては、袋の回収や売掛金の集金などのため、1回の配給につき1家庭を2~3回訪問することも珍しくなく、大きな負担となっていました。また、正確な計量器が十分に整っておらず、あらかじめコメを多めに入れてクレームを防ぐことが慣習となっていました。紙製コメ袋は、こうした課題を解消する手段として誕生しました。コメ店が消費者にコメ袋をサービスする代わりに、計量や受け渡しの負担を軽減できる流通のしくみとして受け入れられ、配給制度下の日本において紆余曲折を経ながら、次第に普及が進んでいきました。

紙製に代わり、コスト面・耐久面に優れた
ポリエチレン製コメ袋開発に成功

ポリ製コメ袋ポリ製コメ袋

チューブロールチューブロール

のし餅用の袋のし餅用の袋

Special Interview

ポリ製コメ袋の開発・規格化。
「コメ袋といえばのむら産業」といわれる時代へ

代表取締役社長 清川 悦男

当社がコメ袋の事業に取り組み始めた背景には、コメの販売現場が長年抱えていた課題がありました。特に、配給制度下では店舗側に大きな負担が生じていました。こうしたなかで、のむら産業(当時は野村紙業)の創業者である野村明三に相談が寄せられたのが「コメ袋」誕生のきっかけとなりました。

当時のコメ袋は紙製でしたが、コスト面や耐久性の面でより優れた素材が待望されました。白羽の矢が立ったのはポリエチレン素材。元々野村紙業が「のし餅用の袋」として販売しており、その実績を踏まえて米袋にも応用できるのではないか、とポリ製コメ袋の開発が始まりました。

しかし、形が決まっているのし餅と決まった形のないコメでは、単に素材を置き換えればよいわけではなく、開発期間には長い歳月を要しました。

まずは輸送にあたっての袋の滑りにくさ、内圧を下げるための細かな空気穴、シール(熱接着)の強度、樹脂の配合に至るまで、協力会社と連携して試作と検証が繰り返されました。

こうして完成したポリ製コメ袋は、幾多の困難に直面しながらも規格化され、現在へと至る米穀流通を支える包装資材のひとつとして広く普及していきました。

当時は、ポリ袋の色味をブルーにすることで、入っているコメの色を綺麗に見せる工夫などもあったようです。単なるコメ袋ではなく、流通の負担を軽減し、コメをより魅力的に消費者に届けるため、当社は現在でも役割を果たし続けています。

消費者ニーズの多様化により
包装形態も小袋化へ

1980年代以降、核家族化の進展により、コメは従来の10~15kgが主流だった時代から、5~10kg包装へと移行しました。そして近年は、コメの価格高騰もあり2kg~4kgの包装も増えております。当社においてもこの流れを受け、生産現場の課題に対応する高速計量包装機や二次包装機を開発・提案するなど、流通の需要にあわせた対応を進めてきました。また、1合(150g)~3合(450g)の使い切りパックの超小袋包装機「クイックミニ」を発表するなど、新たな発想による商品開発にも取り組みました。

販売現場の要請を受け、
長期保管ができる機能を備えたコメ袋に進化

ダストバリアフィルム
ダストバリアフィルム

Special Interview

コメの可能性を広げた
鮮度保持機能を備える高機能コメ袋

常務取締役 西澤 賢治

コメの品質を保つ上で、包装資材は重要な役割を担っており、その機能性向上も大きなテーマです。

コメを衛生的に外側のごみや水などから守る包装袋「ダストバリアフィルム」や、活性フェロキサイド配合により燃焼促進機能を向上させた環境配慮袋「はじめのいっ包」など、当社は新たな商品開発にも積極的に取り組んでまいりました。

また、コメは精米後、長期間保存すると、どうしても虫が発生したり、酸化して食味が落ちてしまいます。以前はスーパーに並んだコメはほんの2~3週間程度で返品されてしまうこともありました。そして、コメの海外輸出において長い輸送期間中の鮮度保持も大きな課題となっていました。こうした悩みに応えたのが、窒素置換や脱酸素材を組み合わせることで長期保存に対応する高機能資材です。こうした現場のほしいものや困りごとを一番に相談してもらえるのが、当社の強みでもあります。

近年では、長期保存の新たなニーズも生まれてきています。たとえば災害対応です。地震などの災害が報じられると、家庭内での備蓄意識が高まり、「少し多めにお米を買っておこう」と考える方が増えています。そのような場面において、鮮度保持機能を備えた袋は、長期保存に適した選択肢のひとつとして選ばれることもあります。コメ袋による長期保管化は、コメの役割も広げているのです。

また、創業者がイノベーターであったように、私たちもその意志を継ぎ、新しいものを最初に市場に出していきたいと考えています。

包装資材のパイオニアとして
多様化する顧客ニーズに新たなソリューションを展開

Special Interview

環境配慮型商品と新たな分野への展開

代表取締役社長 清川 悦男

多様化する顧客ニーズに対する商品展開も進めています。

量販店や取引先からの環境配慮への要請を受け、バイオマス素材や石灰石原料を使用した環境対策用コメ袋「PLASTONE」や、石油由来原料を米ぬか油に置き換えたインキの利用など、環境に配慮した包装資材を提案し、一定の需要を確保しています。

またコメ袋の技術を生かし、コメ以外の原料や製品の領域にも進出しています。用途の多くは工場間の輸送など、一般消費者の目に触れにくい分野ですが、展示会への出展などを通じて、他業界への認知拡大と提案活動を継続しています。

最後に、当社の使命は資材の安定供給です。まずはその基盤をより強固なものにしていきます。そうすることで、備蓄米放出などの緊急対応にも、スピード感を持ってお客様の課題に取り組むことができ、解決への道筋を示すことが可能になります。

こうした取り組みを積み重ねることで、最初にお声掛けしていただける存在であり続けたいと考えています。

お客様の声を最優先に受け止め、迅速な対応力を強みとするのむら産業グループとして、今後もお客様のニーズに即した包装資材の提供に努めてまいります。

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